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2010年10月22日 (金)

Bad Company at なんば Hatch

中学生のころ、初めて人前で演奏したのが、"Can't get enough"だった。
どういう経緯で実現したのかよくおぼえていないが、文化祭のイベントだった。
会場は中学の体育館、PAなんてものはないから、ひどい音響だったはずだ。
カセットテープに録音したのがあったはずだが、現存しているのかどうかも定かではない。
たしかこのときのセットリストには、他に"Rock steady"とか"Live for the music"とか"All right now"とかもあったはずだ。
チューリップとかやりたがるメンバーに無理矢理コピーさせたように思う。

当時、同級生の間で人気のロックバンドは、キッス、クィーン、エアロスミスの御三家?だった。
フリー、バドカンというとよくいえば渋い、普通の感覚だといささか地味であったことは否めない。
しかし、好きだったなぁ~。
バドカンの1~3枚目はほぼ全曲コピーしたぞ。シンプルだったから、初心者でも真似はできた。

そういう昔話はさておいて、行ってきましたよ、バドカン35年ぶりの日本公演。
直前まで大阪公演があるとは知らずに、あぁ、東京まで行くのはちょっと無理かな、と知らんぷりを決め込んでいたが、あれ、大阪公演あるやん。
では、さっそくチケットをゲット。
しかし直前にミック・ラルフスが病欠と聞き、ありゃ、これじゃバドカンだかフリーだかわからんなぁ、と思いつつ払い戻しなど考えもせず、この日を迎えた。

実はポール・ロジャースは15年ほど前の来日公演を見ている。
あのときは、確かロジャースのソロ"Muddy water blues"のツアーで、演目はジミヘンの曲を交えた渋めのブルースロックであったが、ギターがニール・ショーンでなんとなく違和感があった。
しかし、今回は正真正銘のバドカンである。
本来のロジャースのあるべき姿が拝めるはずだ。

会場に着くと、予想通りかなり年齢層の高い人々が集まっていた。
若者は皆無と言ってよかろう。
うんうん、これでこそバドカンじゃわい。小僧どもにあの渋さがわかってたまるか。

前座はスティーブ・ロジャース。
ポールの息子のはずだ。
アコースティックギターの弾き語りだが、父親譲りなのかなかなか渋い声をしている。
ちょっとエスニックっぽい曲調でこれはこれで楽しい。
が、はよ終われ、と思っていたのも紛れもない事実。すまぬ、スティーブ。

再び客電が落ちて、どよめきとともに始まったのは"Rock'n'roll fantasy"。
うわぁ、いきなりかぁ~。
ポールは伸びやかな声でステージを動き回り歌う。
溌剌とした動きは、今年還暦を迎えたとは思えない。元気なジイサンだ。
サイモン・カークは、見た目年相応の老け具合だが、スティックを振り上げる高さは往年のフリーのライブビデオで見られるのと変わりない。
スネアの一撃に魂が籠もっている(ように感じたのは多分に思い込みだろう)。
ベースの人は、若いころのギーザー・バトラーみたいだ。
ギターの人は見た感じ普通のジイサンなのだが、ところどころでタッピング奏法なんか披露して、ほほえましい。
でも、ミックが見たかったなぁ・・・。
ボズがいないのが惜しまれる。

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ボズ・バレルって人は、なかなか不思議な経歴の人で、もともとシンガーだったのだが、キング・クリムゾンに加入したときにフリップ翁に無理矢理ベースを弾くように強要されたらしい。
クリムゾン時代にはシンガーとしてもすばらしい仕事をしているにも関わらず、バドカンではベース一筋。
まぁ、ロジャースという不出世のシンガーがフロントにいるからしかたないといえばしかたない。
で、バドカンでは、クリムゾン時代の色は一切出さず、サイモン・カークと鉄壁のリズムセクションを形成していた。
こうやってバドカンとして来日公演なんかするってわかっていたら、もう少し長生きしてほしかった。

"Honey child"、"Run with the pack"と元気なハードロックナンバーが続くが、会場はおとなしい。
先日のLoud Parkと比較したらいかんが、ああいう粗暴な振る舞いをする人はいないので、落ち着いて聞いていられる。いいことだ。
"Burning sky"でちょっとクールダウンした後、"Oh, Altanta"をやったのは、ちょっと意外だがうれしい。
地味な印象の曲だが、実は大好きだったりする。
ロジャースのシャウトしつつも丁寧な歌いっぷりは、"Desolation Angels"収録曲では白眉だと思っている。
さすがにレコードで聴かれる若いころの声の張りはなかったが、それも渋さが増したと思えば文句もでない。
ただ、残念なのは、特徴的なサビでのギターのオブリガートが省略されて普通のコード弾きになっていたところ。
ボーカルとギターの微妙な掛け合いがいいんだけどなぁ。
ミックは、こういうボーカルを引き立てるバッキングが絶妙だ。
返す返すも今回の病欠が惜しまれる。聴きたかったなぁ。
ところで、"On my way back to Georgia”と歌うところを"On my way back to Osaka”と歌っていたのはお約束か?

引き続き、ロジャースのアコギ弾き語りによる"Seagull"。
うわぁ~涙が出てきた。
歌詞がいいのよね、この曲。
しみじみとくるなぁ。これでこそロジャースじゃわい。

「次の曲は、ボズに捧げるよ」と言って始まったのが"Gone, gone, gone"。
これまた地味目の曲だが、初期バドカンではほとんど作曲者にクレジットされていないボズが作った数少ない曲だ(共作だったかも?)。
ひょっとしたらこれ一曲かもしれん。
残念ながら、手元にある"Desolation Angels"には作曲者のクレジットがないので確認できないが、たしかそうだったと思う。

途中、へんてこりんなブルース曲を挟んで(新曲だ、とか言っていたような・・・)、後半戦は一気に全盛期の名曲オンパレード。
特に"Shooting star"は会場大合唱で大盛り上がり。
ロックスターを夢見る少年が一発当てて成り上がったけど、睡眠薬中毒で死んでしまう、という悲しい歌だが、どうしてもポール・コゾフの鎮魂歌のように感じてしまう。
実はコゾフの亡くなる前に作られた曲なんだけどね(ロジャースはジミヘンのことを歌ったと何かで読んだ気がするけど、違ったかもしれん)。
ボズもいなくなって、この歌を歌うロジャースの胸中はいかばかりなものだったろうか。
客席(スタンディングだったけど)で、目頭を熱くしてしまった。

"Can't get enough"、"Movin' on"と1stから景気のいいロックナンバーを連発して終了。
"Movin' on"の出だしのギターリフがなんか変だったような気がする。"Honey child"かと思った。
気のせいかな。
ここまで、ほぼ1時間ちょっと。短い。短すぎる。
アンコールは、"Bad company"は当然として、"Ready for love"はちょっと地味だったか。
いや、ロジャースの美声を満喫できたので、文句は言いませんが。
やはり体力的に限界なのかな、でも、もうちょっとやってほしかった。
"Good lovin' gone bad"も、"Deal with the preacher"も、"Early in the morning"も聴きたかったぞ。
まぁ、あまり観客が跳ね回るような音楽ではないので、こんなものかとは思うが、汗もかかずに終わってちょっと拍子抜け。

P9120015

案外早く終わり、まだナンバの地下街が営業していたので、ふらっと「黒門カレー」という店に入って晩ごはん。
チキントマト煮込みカレーをオーダー。
いや、これうまいやん。
木曜日の晩ごはんはカレーと決めているのだが、いつもの「すき家」のカレーとは比較対象にならん。ちょっと高かったけど。

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コメント

高校生の頃、can't get enoughをやった・・・共通してますね!
all right nowもやりましたなあ。

前日のサラ・ブライトマンを取りましたので、バドカンは涙を飲みました(涙)

投稿: てりい | 2010年10月22日 (金) 20時56分

> てりいさん

やっぱりやりましたか、Can't get enough。
シンプルに聞こえるけど、後半のドラムとベースの絡みなんか、けっこうドラマーにはおいしいところじゃないかと。

>前日のサラ・ブライトマン

オトナっぽいなぁ~(^^;
それはそれで正しい選択かと。
しかし、ああいうタイプのシンガーは、もう少しこじんまりとしたホールで聞きたいような気もしますね。


投稿: 皇帝 | 2010年10月24日 (日) 02時16分

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