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2009年11月16日 (月)

「空の巻き貝」とか。

引き続きマンガねた。

これまたサブカル棚から見つけた作品。
逆柱いみり。う~ん、名前からしてかなりのインパクトだ。

以前、知る人ぞ知るマンガ読みの達人、はかせに推薦してもらった作家である。
せっかくだからと新品で探していたのだが、案外近くに売っていた。

「赤タイツ男」 2004年
「空の巻き貝」 2009年

わりと最近の作品である。
若い人かと思ったら、ほぼ同世代の人だ。
2作とも青林工藝舎から出ているとなれば、およそ作風は想像がつくような気がするが、しかし想像を遥かに超えるインパクトである。

こういうのは「シュール」だとか「不条理」だとかついつい「サブカル」用語で説明したくなるが、この作家に関しては、そういう「説明」はほとんど無意味である。
ただひたすら描きたい風景と光景を描き散らかしただけという印象。
青林堂関連といえば「つげ義春」がお約束の作家であり、陰影だらけの風景描写にその影響らしきものがうかがえるが、どう見ても現実の世界の風景ではない。
国籍、時代すら判然としない魔巣窟のような風景がみっちりとした描線で延々と描かれている。
また、人物の描写には80年代のヘタウマ系作家の雰囲気が漂っている。異様な表情の怪人たちはポリネシア美術風である(どことなく後期の杉浦茂を思わせる)。
こういう風景の中、妙にのっぺりとした人物(とか動物?とか)がひたすら移動していく。
あるときは逃走しながら、あるときは伸びきったタイツに引っ張られながら、あるいは巻き貝に乗って帰路を辿りつつ。

このようなマンガに日常的な語彙での「意味」などあるわけがない。
「意味」を考えてもわかりようがない。
そこにあるのは、悪夢のようであり桃源郷のようであり苦痛のようであり陶酔感のようなものである。
読後に「あぁ、どうしたらいいんだろう」という喪失感のような達成感のような奇妙な感覚を抱くことになる。

これまでそれなりの数のマンガを読んできたが、こういう感覚は滅多に得られるものではない。
何度読み返しても飽きることはない。
絵を眺めるだけで十分楽しめる。
いいものを勧めてもらったものである。

「空の巻き貝」には半透明のオビがついてあり、主人公の二人の少年のパンツが描かれているのだが、これを取ると当然ながらなかなかお茶目な絵になる。
やるなぁ。

Ts3g0129

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