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2009年5月31日 (日)

MAGMA LIVE at BIG CAT 2009/05/30

Magma200905300 数日前に、マイミクさんの日記でMAGMAの来日を知った。
そういえば、前回の来日も結局行けず、ずいぶんと後悔したものだ。
というわけで、ちょうどめずらしく何の用件もない土曜日の午後、一路大阪心斎橋はBIG CATに出撃。

心斎橋界隈の小ぶりなライブハウスはよく行くのだが、結構大手のBIG CATはすぐ近くまで行ったことはあっても入るのは初めて。
5時ちょっと前に到着。
5時からの当日券を求めに集まった人々がちらほら。
いや、ほんとにちらほら・・・。ちゃんとチケット売れてるのだろうか。
ちょっと心配。

20090530magma

当日券をゲットして、開演まで周辺をうろうろして時間をつぶし、6時半ごろ会場入り。
何人か、知った顔を見かけ、久々に歓談。
そうこうするうちに開演となった。

MAGMAは結構好きなバンドだが、一般にMAGMAファンは相当に濃い人が多いので、そういう方々に比べたらわたしなんぞ素人も同然。
従って、知ったかぶって曲目だとかメンバーなんかの解説はようしません。

ただひたすら強力な演奏と歌唱に圧倒された2時間30分だった。
他の誰にも似ていない唯一無二の楽曲、緊張感漲る演奏、結成40周年とは思えないばりばりの現役感。
特に、御歳61歳のクリスチャン・ヴァンデ翁、たぶん同じような年齢のステラ・ヴァンデ両名は、彼らの子供くらいの年齢と思しき若いミュージシャンたちを従え、老いてますます盛んなパッション全開。
クリスチャンのプレイは、さすがに技術的には昔のドラマーという感じだが、音に籠められた熱気はただごとではなかった。ステージ後半は汗まみれになって、フランシスコ・ザビエルのような頭髪が、ほぼ河童状になっていた。湯気が客席からも見えそうな感じだ。
ステラは、爆音が疾走する演奏に耽美な歌声で叙情性を与える。
美しい。天女のような歌声だ。
大地の躍動と天空の光が交錯し、森羅万象が一つの音楽に結実したかのような印象だ。
CDだと、コバイア語の語感もあってか、なんだかおどろおどろしいイメージが強いが、初めて生で見たMAGMAは、そういうキワモノっぽさとは無縁の誠実で真摯な音楽家の営みを垣間見た思いだ。
1曲40分を越える新曲を披露するあたりにも、まだまだ衰えない創作意欲の迸りが窺える。
誰とは言わないが、往年のメンバーで再結成集金ツアーをやってる人たちとはアティチュードがまるっきり違う。
ゴミのような最下層の一介のアマチュアミュージシャン風情が偉そうにこういうことを言うのもいかがなものか、とは思うが、音楽に携わるものとして、こういう姿勢は見習いたいものだ。

約2時間で本編は終了。
ほどなくしてアンコールに応える。
メンバー紹介のときに、ギターの人が「日本語はあまりわかりませんが、俳句は詠めます。朝顔につるべ取られてもらい水~」なんて日本語で語ったり、ちょっとお茶目な面もあって、メンバー間の雰囲気もよいのかな、と思わせる場面も。
2回目のアンコールでは、クリスチャンがソロで歌う。
たぶんコバイア語なんだろうけど、「はんにゃらほんにゃらふにゅるる、ひー」(なんてな感じの歌詞?)と奇妙でちょっとおかしな歌を穏やかで淡々としているけど、力強い演奏にあわせて歌う。
クリスチャンの表情も穏やかなものから、後半盛り上がってくるにつれて悲しげに、苦しげになってゆく。
素晴らしい声である。
いわゆる「うまい歌」ではないし、歌詞もわからんけど、心に響く素晴らしい歌唱だった。

あぁ、思い立って行ってよかった。

・・・で、帰りにおみやげにバンドTを買って帰った。
"ATTAHK"のジャケ絵がプリントされたのもあって、ずいぶん迷ったが、さすがにあれは普段に着るにはインパクトが強すぎるだろうと、フツーのにしたんだけど、やっぱり"ATTAHK"の方がよかったかな。

20090530magma2

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2009年5月 3日 (日)

【温故知故】 Strapps "Live at the Rainbow 1977"

相変わらず昔のCDを買い漁っている。
よく年下のバンド仲間からは「最近の音楽全然聞いてないでしょ?」と訊かれるが、まさにその通りである。
なぜそうなのかと突き詰めていくと、結局好き嫌いの話になってしまうので、たいした結論は出てこない。
これは個人的資質の問題だと思うので、いたしかたないところだ。
そういう新しいムーブメントとは無縁の音楽を探り、新しくもない見識を得る、これを「温故知故」という。

で、「昔のCD」を今さら買い漁る動機には、大きく2つの傾向がある。
ひとつは、ここ数年(10数年?)に出版されたジャンル別CDガイド本、あるいはインターネットのレビューサイトなどのメディアによって新たに仕入れた情報に基づくものである。
もうひとつは、リアルタイムでインプットされた情報に基づくものである。
発表時にラジオや雑誌で「これはすごい」と評されて、気になっていたのだが、その後さっぱり見かけなくなっていたものがネット通販サイトやオークションで見かけてついつい入手してしまう、というパターン。
特にラジオで2~3曲だけ聴いて、「あ~、これはいいな」と思っていたが、ついつい機会を逃して、気がつけばとっくの昔に廃盤になっていて入手困難になっていたものを不意に入手したときの喜びは大きい。
そういう経験は長く音楽を聴いてきた人ならば誰にでもあることだと思う。

個人的にそういうバンドの代表格がストラップスである。
70年代後半に彗星のごとくロックシーンに現れ、線香花火のように消えていったバンドである。
70年代後半というと、ロックというものが「クィーン、キッス、エアロスミス」の3大バンド(とBCR)の活躍によって、日本のティーンエイジャーにとっても身近な娯楽となった時代である。
75~7年あたりは、その3大バンドの後塵を拝するがごとく数多くの個性的なハードロック系バンドが輩出された(というか日本で紹介された)。
まぁ、要するに一部のマニアの愉しみから大量消費される商品と認知されるようになり、レコード会社も販売に力を入れるようになったってことだろう。

その中で、このストラップスはロジャー・グローバーがプロデュースしたせいか「ポスト・ディープパープル」の呼び声も高かったのだが、結局ブレイクすることなく消えていったようである(当時、英国では既にパンクの勃興期、この手のオーセンティックなハードロックバンドは見向きもされなかったという)。
とはいえ、一時期かなり注目されたバンドなので、ブリティッシュハードロックのCDガイド本なんかではよく見かける。ただ、その際に、デカダンポップ系の1stの評価が高く、直球ハードロック路線の2ndは評価が低い。3rdに至っては凡作扱いだ。
2nd"Secret damage"発表当時、NHKFMで数曲がオンエアされ、おぉ~これってかっこいい!と思ったのものである。

エッジの効いたギターと天空を駆けるがごときのシンセソロ。
ディープ・パープル直系のクラシック・コンプレックス丸出しのイントロなど、「様式美ハードロック」が確立する以前ではあるが、そういう要素が散りばめられている。
「個性的」ではないかもしれないが、ディープ・パープルと80年代様式美メタルの橋渡し的内容は、ハードロック史の観点からも興味深い。

・・・てな理屈を考えたのは、ずっと後のこと。
当時はついつい買いそびれて、10年ほど後、中古レコード屋を巡るようになってから結構探したが、ついぞ見かけることがなかった。
CDが主流になって、旧作のCD化がかなり進んできても、本作がCD化されることはなかったようである。
1stはCDになってるんだけどなぁ・・・。

数年前にとうとう業を煮やしてレコードで入手した。
改めて聴いて、どうしてこれが売れなかったのかなんとなくわかった。
発表した時期が悪かったのだろう。聞いた感じが古臭い。
ジャケットも陰気な感じでよくない。
曲も演奏もいいのに惜しいことである。

作曲、ボーカル、ギター担当のロス・スタッグが中心メンバーなのだが、現在では元クォーターマス、後にイアン・ギラン・バンドで活動するミック・アンダーウッド(Dr)が在籍していたバンドという認知がされているようである(今回入手したライブ盤もミック・アンダーウッドがどうやら権利を持っているらしい)。
ロス・スタッグって、どこに行ったんだろう(なんでも故国オーストラリアに帰って、音楽教師をしているとか)。
ギターも歌もすごくうまいという訳ではないが、なかなかいい味を出しているし、曲もいいのを書くし、なんといっても見た目がかっこいい。

さて、今回紹介するのは、最近(2008年)発表された"Live at the Rainbow 1977"なるCDである。
2nd発表時のライブのようで、そこからの選曲が多い。
特に名曲の誉れ高い"Down to you"では、スタジオで猛威を振るっていたキーボードも大きくフィーチュアされ、なかなか聴き応えがあるが、いかんせん全体に演奏が荒っぽい。
それが実力だと言ってしまってたらそうなのかもしれない。
これだけ聴いたのでは、おぉストラップスかっちょいい、とはなかなか思えないところが残念だ。
やはり2ndのCD化が望まれるところである。

70年代後半のブリティッシュハードロック暗黒時代をたくましく生き残ってきたバンドには、それなりの力と戦略があったってことだろう。
ロックの多様化が進んでいた時代に、このような直球一直線の王道ハードロックはあまりに厳しい。
しかし、中途半端に商業ベースに乗ってしまったせいか(きっと権利関係がややこしいのだろう)、未だにCD化されていないのは実に惜しい。
もはや希少であることしか存在価値のないような幻バンドの作品がどんどんCD化されている時代だというのになぁ。

Strapps_2

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