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2009年3月25日 (水)

「地獄くん」

ひさびさのマンガネタである。

またしても大田出版のQJマンガ選書シリーズだ。
どうもこのシリーズには惹かれるものがあるな。

Digokukun

さて、今回はムロタニ・ツネ象の「地獄くん」だ。
なんとも形容のしようのないタイトルだが、どうしても読みたくなる類のタイトルだな。
本書は’67年から複数の少年マンガ誌に掲載されたものを集めたものである。
60年代後半というと、水木しげるに代表される妖怪マンガが流行っていた時期になるので、本作もその流れの中で作られたものであろう。
ムロタニ・ツネ象って、なんか聞いたことのある名前だな、と思っていたら、60年代には少年マンガで活躍した人らしい。
「ピッカリビー」の作者といえば、あぁ、なんとなく知っている、という人もわたしと同世代の人には多いかと思う。
70年代以降は学習マンガの分野で作品を残しているようで、現在でも現役だそうだ。

「地獄くん」とは、表紙写真を転載してるが、この奇妙な人相の少年のことである。
作中でははっきりとは語られていないが、どうやら閻魔大王の孫らしい。
全部で6編のエピソードが語られるが、どれも悪いオトナによってひどい目に遭わされている少年少女を、どこからともなく出現した地獄くんが救うという話である。
救い方も半端じゃなく、殺された母親を生き返えらせたり、大ケガを3秒で治したり、火災現場に飛び込んで逃げ遅れた少年を耐火性のプラスティック容器に詰めて救い出したり、それはもう大活躍なのだ。
しかし、それにも増してすごいのが、悪いオトナの懲らしめ方である。
その徹底ぶりはただごとではない。
手をちぎりとってしまうなんてのは序の口で、ちぎった手を頭にくっつけてしまったり、違法ドライバーをタイヤに変えてしまったり、大地獄鳥に乗っけて地獄に送るわ、一万円札に閉じ込めてドブに流すわ、ムチで絞め殺すわ、もう、残虐の限りを尽くすのである。
少年マンガの勧善懲悪のレベルを遥かに超えている。
このような残酷な処分を下した後、「こんなオトナになってはだめだよ」みたいな作者のコメントをもって作品は締め括られているのであるが、それにしてもなぁ、ちょっとやり過ぎではないか、と。
本書の巻末の解説にも書かれているが、どうも作者はそういう道徳的な寓話を語りたいのではなく、こういう残酷な絵を描きたかっただけなのではないかと思える。
道徳を訴えるには、懲戒の手段が過剰である。

というか、作者は勧善懲悪の道徳話を描こうと意図していなかったのだろう。第五話「地獄の声」という話では、自動車事故で死亡した三太郎少年が閻魔大王に懇願して蘇生するのだが、ひとつ条件があり、蘇生してから24時間はひとことも口をきいてはならない、もし一言でも言葉を発したらそのまま再び死んでしまう、というなんともいえない条件を課せられてしまう。
三太郎君は、両親、友人からの問いかけにも応えず、ひたすら沈黙を続けるのだが、あと2時間ほどで24時間を経過して完全に生き返ることができるというのに、自分をひき殺した二人組みによるひき逃げ事故現場を再度目撃したばっかりに、濡れ衣を着せられようとしたトラック運転手をかばい、真犯人を告発するために声を挙げてしまう。
勧善懲悪話ならば、ここで約束を守って自分の命を優先することより正義を貫いた少年を閻魔大王は褒め称え、蘇生を許すところであるが、作者は三太郎君は無情にも再び冥界に帰してしまう。少年マンガにあるまじき、なんともやりきれない話である。
ちなみにこの話には地獄くんは登場しない。少年マンガで、主人公が登場しないってどうよ。あたかも「トイレット博士」のようである(違うな)。

第六話「死神工場の巻」の途中で本編は終わっている。死神工場(って何だ?)で強制労働を課せられている少年少女を救うべく単身乗り込んだ地獄くんが、悪人工場長に地下室に閉じ込められ溶けた鉛を流し込まれるという危機一髪の状況で不意に終わってしまう。
あぁ~、続きを読みたい!
どうやら、掲載誌が廃刊になったらしい。残念なことである。

併録された「スリラー小僧 恐怖のハエ男」という作品も、「えぇ~、そこまで引っ張って、そういう終わり方?」というくらい唐突に終わっている。
これは廃刊とは関係なく、恐らく作者の意図で終わっているようだが、なんとも無体なことである。

そういうストーリー展開のシュールさだけではない。
各話に挿入された見開き2ページを費やした大ゴマの絵は、まさしくシュールレアリズム絵画あるいは象徴派絵画である。
ダリかエルンストか、はたまたルドンか。
この画風は杉浦茂、徳南誠一郎などの正式に絵画教育を受けた作家の画風に通じるものがある。
例えば、一番下の「地獄時計」の絵は、溶けた時計と這い回る蟻の群れが描かれているが、これなんかそのまんまダリのモチーフだ。
こういう「彼岸の光景」を描く題材として「地獄くん」はぴったりだ。
作者もこういう絵を描きたいがためにこの作品を描いたのではないかと思わせる。
ストーリーはともかく、絵を味わうだけでも十分価値のある作品だ。

これだから、カルトマンガ漁りはやめられない。

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2009年3月21日 (土)

プログレ普及会第二回総決起集会

先日、京都丸太町はネガポジで、プログレ普及会第二回総決起集会「リック・ライト追悼ピンク・フロイド・セッション」なるイベントを開催した。
「プログレ普及会」とは簡単に説明すると、いわゆる「プログレ」楽曲を演奏して遊ぼう、という主旨の不定形チームである、と思っている。
一昨年、第一回総決起集会を挙行したが、PAのトラブルで、せっかく集まってくれたメンバーに迷惑をかけてしまったので、第二回以降は、きちんとしたライブハウスで、しっかりとした音響設備を使って演奏を楽しみたいと思っていた。

しかし、第二回の企画案がなかなか決まらず、幾度となく流れ流れてはや1年。
昨年の年末あたりにやっと決まったのが、ピンク・フロイドの名盤「狂気」全曲を演奏するイベントをやってしまおう、というものだった。
昨年リック・ライトが物故されたので、その追悼の意味も込めて、やや無謀とも思えるイベントはスタートした。

この種のイベントは、まず場所押さえから始まる。
京都市内で、多少は口が利けるライブハウスといえば限られている。
さらに、そこそこキャパがあって、なおかつ飲食が充実していて、寛いで演奏を楽しめるお店といえば、そうそうない。
昨年秋によた帝でライブを行ったネガポジとは、店長さんとその後も懇意にしていただいており、条件的にもぴったりだった。
3月あたりで空いている日程を確認すると、14日が空いているような詰まっているような、という感じで、あとは概ね埋まっていた。とりあえず、仮で押さえておいて、まずは人集め。
mixiで告知を打つ。
第一回と違い、準備期間も短く、しかもフロイド限定の企画なので、どれだけ人が集まるかやや心配であったが、前回参加してくれた方、新規で手をあげてくださった方、たくさんの皆さんの参加表明を得て、演奏メンバーが固まった。

途中、エントリー状況が停滞し、参加メンバーにはいろいろご心配をかけたりもしたが、積極的に果敢に手を挙げてくれた方々のおかげでスタジオ・リハーサルまでこぎつけた。
集まってくれたメンバーの顔ぶれを見て、演奏面の心配はまったくしていなかったが、本番一週間前のリハで、その思いは確信に変わった。
皆さん、きっちり練習した上で参加していただき、ほぼ一発でOKの出る演奏だった。
「セッション」と銘打ったイベントではあるが、普及会メンバーによる「狂気バンド」(なんかすごい名前だ^^;)と言っても過言ではない仕上がりだった。
俄然、当日が楽しみになったのであった。

本番直前、木曜日から土曜日未明まで会社に拘束され、ほぼ不眠不休で仕事した結果、体調絶不調で臨んだ本番であったが、サウンドチェックのリハの演奏を聴いて、体調のことなどすっかり忘れて急に元気になった。
そして本番を迎える。

一曲目は"In the flesh"。
フロイドの大作「ザ・ウォール」のハイライトを飾る名曲である。
第一回総決起集会でもオープニングに持ってきたこの曲であるが、実は意味がある。
「今日はピンクが体調不良なので、俺たちが代理バンドとして演奏するぜ」
というような意味の歌詞。
まさにわれわれ「プログレ普及会」にぴったりの曲ではないか。

そして「狂気」セクションが、"Speak to me"のSEとともに始まる。
せっかくフロイドやるんだから、SEも可能な限りホンモノを拝借した。
リハでは、SEからの入りのタイミングあわせにだいぶん時間を割いた。なんだかちょっと本末転倒(^^;
自分が演奏していたので、前半戦はあっという間に終了。

途中、"Crazy diamond"など「狂気」以外のフロイド曲の演奏をはさんで後半戦。
後半はずっと客席で聴いていた。
ほぼ全曲メドレーで流れてゆく。いい感じだ。
"Us and them"から"Eclipse"まで、ノンストップで演奏されるのを聴いていると、涙が出そうになった。
一回だけではあったがリハもしたし、何より、演奏メンバーがそれぞれ練習を重ねて参加してくれたのがよくわかり、うれしかった。
今回のイベントだけで終わらせるのはもったいないと感じた。
みながそれぞれにフロイドの、あの独特の浮遊感を湛えた雰囲気を再現しようと苦心した跡が窺える。
こういうこだわりこそが、コピバンの醍醐味だと思う。
やっぱり好きじゃないとできないことだ。

"Eclipse"で大団円を迎え、一旦終了。
この後は、ほんとに気楽なセッションタイムである。
一曲だけキャメルの曲を演奏した。
個々の演奏については、それぞれの演奏者の方々がそれぞれに書いておられるので、ここでは多くを語りません。
予想を上回る素晴らしい演奏が聴けて、非常にうれしかったことを述べておきます。
あらためて、演奏、観戦あわせて参加された皆さんにこの場を借りて御礼申し上げます。どうもありがとうございました。

最近は以前ほど頻繁に開催されなくなったが、一時期、セッションイベントがほぼ毎月行われていた。
わたしもときどき参加していたのだが、さほど器用なプレイヤーではないので、参加のたびに相当の練習して臨むことが多かった。
そこでの演奏は、うまくいくときもあれば、不本意に終わるときもある。
うまくいけば、うまくいったで「またこのメンバーで演奏したい」と思い、
不本意だったら、不本意だったで、「うう、またこのメンバーでリベンジを・・・」と思う。
一回こっきりぶっつけ本番のセッションだから出来不出来があって当然、それを込みで楽しむのがセッションなのだ、と言ってしまえば、それはそうかもしれない。
しかし、それではなんか物足りないよな、というのが「普及会」を始めたきっかけでもある。
ただ、バンド編成でリハやって臨む、という「普及会」の方針が参加メンバーにとって負担に感じられ、第二回の企画案がなかなか動かなかった一因だったのではないかと。
で、今回「セッション」と銘打って、敷居をぐっと下げたつもりだった。
しかし、結局リハは必要という判断となり、決行して正解だったと思う。

というわけで、次回以降は、基本的に「普及会メンバーにより編成されたバンド」単位での参加に戻したく思っている。
やはり「会」として継続する以上は、演奏するメンバーの満足感を求め、ミュージシャンシップの向上を目指したく思うからである。
ま、固いもの言いになったけど、要は、「プログレ」楽曲を演奏して楽しむためには、どうすればいいのか、ということなんだよね。そのためにいろいろ試行錯誤を重ねていくことになるのかな、と。

さて、そんなわけで、次回の総決起集会に向けてすでに動き始めている人もいることだし、今年後半くらいにはまたやりたいな。
第三回総決起集会に期待してください。

第二回総決起集会セットリスト(2009/03/14 京都丸太町ネガポジ)

In the flesh
Speak to me ~ Breathe
On the run
Time
The great gig in the sky

Summer'68
Crazy diamond
Wish you were here

Money
Us and them
Any colour you like
Eclipse
Brain damege

See Emily play
Comfortably numb
Pigs (three different ones)
Rhayader Goes To Town

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2009年3月 9日 (月)

【お知らせ】プログレ普及会第二回総決起集会

この週末、晴天が続いたせいか、大気中に飛散する杉花粉の量たるや半端ではなかった。
マスクで防御しても限界がある。
覿面に目鼻をやられた。
まさにBreathe in the airである(なんのことやら)。

というわけで、先だっても告知しましたが、改めて。

プログレ普及会第二回総決起集会のお知らせ

「リック・ライト追悼 ピンク・フロイド・セッション~目標は『狂気』全曲演奏」

日時:2009/03/14(土)
場所:京都 烏丸丸太町 陰陽(ネガポジ)
時間:開場:午後6時半 開演:午後7時
チャージ:¥2000(ドリンク、フード別)

フロイドの名曲を普及会メンバーで演奏します。
アルバム「狂気」の楽曲がメインになりますが、その他、フロイドといえばお約束のあの曲この曲、意外なその曲などなどいろいろやります。
セッションと言いつつ、きちんとリハもやりました。いい感じに仕上がってきてますよ。
某リック・ライト追悼企画イベントと日程的にかぶっておりますが、ぜひ観戦に来てくださいね~。

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2009年3月 2日 (月)

裁判所に行ってみる。

これまでの人生、いろいろあったようで、実は割と平凡な小市民として生きていた。
まぁ、大部分の人がそうであるように、わたしも法廷なんてものは、映画やテレビで見るもので、実際にこの目で裁判を見るなんてことはこの先ないだろう、なんて高を括っていた。

ところが、裁判所に行って、裁判というものを体験することになろうとは・・・。
とはいえ、裁判員に指名されたのでもなく、原告や被告として法廷に立ったわけでもなく、ましてや判事検事弁護士になったなんてこともなく、ただ一傍聴人として傍聴席に座って裁判の成り行きを見守っていただけなんだけど。

裁判の内容については、差し障りもあるので、ここでは伏せておくが、仕事関連ということにしておこう。
事前に弁護士の先生に訊いてみた。
「傍聴に行ってもいいですかね?」
「あ、全然大丈夫ですよ」
「予約とか手続きはいるんですか?」
「いや、当日裁判所に行っていただければ別に手続きはないです」
「『○○先生、がんばれ~!』とか言ってもいいですか?」
「あ、それやったらつまみ出されますよ」
というやりとりの末、傍聴に行くことにした。

開廷の時間がよくわからなかったので、当日、9時に裁判所に行ってみた(ちゃんと確認しておけよ)。P1280086 P1280088

入り口の自動ドアをくぐると、ただっぴろいロビーになっている。
ひと気がない・・・。
同じ官公庁でも市役所とか県庁とかと違う。
しかし事務室の中では、なんだか職員の人たちが忙しそうに立ち働いている。
ただ、案内カウンターの人は暇そうだ。このあたりは一般の官公庁と同じだ。
「今日の裁判の予定とかわかりますか?」
と訊くと、ほぼ無言でカウンターに置いているバインダーを指した。
そのバインダーに今日の裁判の予定が書いてあった。
一日にこんなにたくさんの裁判をやってるのか。ほとんど30分に一回。
しかも開廷時間は10分とか、そんな単位だ。
その上、法廷の数も想像以上だ。
一階と二階でそれぞれ10以上の法廷がある。
世間でこれほどの数の事件が起こっているのか。
しかし、その大半が民事訴訟で、しかもお金の貸し借り、払え払わぬの争いが多い。
のほほんと生きている自分の知らぬところで、これほどに法廷闘争が繰り広げられているとは・・・。
感慨を深めて、傍聴すべき裁判の時間を確認すると10時半開廷だった。
ありゃあ、だいぶん時間が空くなぁ。
というわけで、裁判所の内部、周囲を探検してみた。P1280089_3

ひと気のない廊下を歩いていくと、どこからとなくテレビの音声が聞こえてくる。
売店からだった。
やっぱりあるんだな、こういう施設が。
大きな病院にある売店みたいな感じで、店番のおばさんが二人、ヒマそうにテレビを見ていた。
実際ヒマなんだろう。 P1280091_2

タバコが吸いたくなったので、喫煙室に入ってみた。
建物は新しく、とても清潔に手入れされているのだが、ここだけ妙に小汚い。
まぁ、喫煙室ってタバコの煙で壁面が薄汚く汚れているものだが、それにしても、他との落差が激しい。
きっと喫煙室だからあまり掃除とかしていないんだろう。
喫煙者の立場って不当に貶められているような気がする。

「人事課能率係長」という役職の人がいるのだな。P1280092
ということは「人事課能率係」という部署があるのだろう。
なんの「能率」なんだろうか。
謎だ。

さて、ここが当該の法廷だ。
法廷の様子を写真に取るのはご法度らしいから、閉廷後に撮影したものだ。
書記の人がいたので、「こらこら。写真撮ったらダメ」とか怒られるかと思ったが、何も言わなかった。
たぶん閉廷後だからOKなのだろう。P1280093

裁判そのものは、あっと言う間に終わった。
開廷直前に弁護士の先生と合流して、法廷に入っていった。
先生は、なにげに傍聴席と法廷を区切る柵(一部が押し戸のようになっている)を押し開けて、柵の中に入っていく。ほんとに何気なく、という感じだ。
まぁ、弁護士の先生は、これが仕事で常時10件程度の裁判を抱えているらしいから、いちいち気合を入れたり、天を仰いで十字を切ったりはしない。当たり前か。
原告代理人が左側、被告代理人が右側に座り、開廷を待つ。

その直後、判事3名が奥の壁の向こうからすっと出てきた。
これまた何気なく不意に現れた感じだ。
おもむろに開廷を告げ、裁判は始まった。

まず原告代理人が訴状を読み上げ、判事が争点を被告代理人に確認する。
いくつかの争点について判事が双方に確認、意見の有無を訊き、そして次回の日程について決めたら、それで閉廷。
あっけないなぁ・・・。
ものの10分もかからない。
裁判ってこんなものか。
後で弁護士の先生に訊いてみたら、やっぱり初回はあんなものらしい。
次回は来月。
しばらく裁判所通いが続きそうだ。

ところで、アメリカは訴訟社会ときく。
なんとなく想像の話だが、アメリカ人って自分の権利を主張することが好きな国民ではなかろうか。
だから、訴訟が好きなのだろう。
一方、イギリス人は裁判が好きな国民みたいな気がする。
ああいう形式を重んじることを大切にしているような感じ。
あくまでこれも想像なんだけど。

そういえば、「インドへの道」というイギリス映画をだいぶん前に見たことがある。
植民地時代のインドで、支配者階級の英国人女性と被支配者階級のインド人男性の淡い心の交流の物語か、と思ったらいきなり社会派映画になってしまうというなかなかヘヴィーな映画だった。
ただ、映画の各所に見られるインドの風景、風物は目を見張る美しさがあった。
それはさておき、この映画のクライマックスは裁判のシーンで、鬘を被った判事がなかなか印象的であった。
それ以来、イギリス人は裁判好き(しかも格式ばった)、という先入観ができてしまった。

さて、「裁判」を英語で言えば、"The trial"。
まさにその言葉をタイトルにした曲がある。
Pink Floydの傑作"The wall"に収録されていて、全曲のクライマックスに位置する曲である。
ロックスターとして名を成した主人公"Pink"が錯乱の果てに法廷で裁かれるという悪夢のような曲だ。
フロイドの曲としてはめずらしくメンバー以外の人が作曲にクレジットされている(プロデューサーのボブ・エズリンだ)。
「ザ・ウォール」って大ヒットして名作の誉れ高いが、レコードだけ聴いても実はよくわからない。
映画版を見て、はじめてストーリーが理解できた人も多いかと思う。
わたしもそうだった。Trial2
まさしく悪夢のようなジェラルド・スカーフの手になるアニメーションによって繰り広げられる「ピンク」の裁判は「壁」の破壊によって終わる。
オペラ風のコーラスとオーケストラを配したアレンジは、フロイドの楽曲の中で異色であり、非常な盛り上がりをみせ、強い印象を残す。
なるほど、ロジャーが、もうやるべきことはやり尽くした、とフロイドをやめたのも頷ける。Trial29

・・・そこで、ピンク・フロイドを味わい尽くそう、というイベントを挙行することになりました。
いやぁ、長い前振りだったなぁ。

そんなわけで、「プログレ普及会」の第二回総決起集会を敢行します。
今回は趣向を変えて、お題は「リック・ライト追悼 ピンク・フロイド・セッション~目標は『狂気』全曲演奏」。

日時:2009/03/14(土)
場所:京都 烏丸丸太町 陰陽(ネガポジ)
時間:開場:午後6時半 開演:午後7時
チャージ:¥2000(ドリンク、フード別)

フロイドの名曲を普及会メンバーで演奏します。
セッションと言いつつ、きちんとリハもやって臨みます。
ぜひ観戦に来てください。

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