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2007年7月26日 (木)

人間椅子ライブ 2007/07/25 西九条Brand New

もともと友人知人以外のバンドのライブにはあまり行かないのであるが(だって、平日が多いもん)、それでもライブ情報を聞くと、平日だろうと観戦したくなる日本のバンドはいくつかある。
人間椅子は、そのひとつである。
80年代末期から活動しているので、20年近いキャリアがあるのだが、わたしが彼らを聞いたのは比較的最近になってから。
常日頃、自分のバンド(よた帝のことね)用に曲を作っているのだが、どうにも歌詞が書けない。
インストバンドの限界を感じて、歌のはいった曲を作ろうと思っても、歌詞が書けない。
そんな訳で、参考にしようと日本の(歌詞の)おもしろそうなバンドをいくつか聞いてみた時期があったのだ。
そういう時期にはまったバンドである。
人間椅子の話をすると、たいていの人は「あぁ、そういえばそういうバンド昔あったよね」という反応が返ってくる。
いや、今でも現役なんですよ~。

彼らを聴いたことのある人には、いまさらな話だけど、ここを見ている人の大半は、人間椅子って聴いたことないだろうから、ちょっと説明を。
彼らの歌詞には、江戸川乱歩、太宰治、泉鏡花、H・P・ラブクラフト、E・A・ポーなどの文学からの引用が多く(とはいえ、タイトルだけ拝借というパターンが多いような気がするが)、独特の世界観を示している(やや衒学的な嫌いはあるが)。
キーワードは、猟奇的、耽美的、土着的って感じか。
で、音は、ブラック・サバス、バッジーあたりのブリティッシュ・ハードロック風。そこに和風のメロディーが乗っかって、非常に個性的。
その上、ギターの和嶋慎司はSG弾きときたら、これはもう聴くしかないでしょう。

という訳で、ひさびさに人間椅子のライブに行ってきた。約1年ぶり、2回目。
場所は西九条ブランニュー。1ヶ月前に我々が立ったステージに彼らが立つと思うと、感無量(でもないけど)。
平日ってこともあって、現地到着は8時半。
対バンの死ね死ね団は既に終わっていた。あとでフライヤーを見ると、ちょっと聴いてみたかった気もする。
さて、フロア入り口のドアを開けてびっくり。

客席がらがら。

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我々が行くときはいつもフロア中央にテーブルを並べているのだが、今日はテーブルは取っ払って、スタンディング仕様。
そもせいもあって、お客さん、非常にまばら(^^;
総勢30~40人くらいかなぁ・・・。
ステージ前の人垣が、だいたい3重くらいで、あとはぱらぱらと佇んでいるって感じ。
バーカウンターの店員さんと
「今日、お客さん入ってないねぇ」
「平日ですからね」
「でも、一応プロのバンドでしょ?これは寂しいなぁ」
「こんなもんですよ。あ、でもちょっと少ないかな」
「アマチュアのライブの方がたくさん入るってどうよ」
「う~ん、天神祭ですからねぇ」
・・・などと客の入りを天神祭のせいにされてしまった。
しかし、「今日は人間椅子のライブだけど、天神祭あるしパス!」という判断をする人が大阪にそう何人もいるとは思えないが・・・。

なぜか、女性が多い。そうか、人間椅子て女性に人気あんのんか、などと思っていると9時頃から演奏が始まった。
オープニングSEはアイアン・バタフライの「イン・ア・ガダダビダ」。
あのうねるようなオルガンと鋼鉄なリフがブランニューに流れる中、メンバーが登場。
ベースの鈴木研一は破戒僧、ギターの和嶋慎司は古本屋の店主、ドラムの中嶋ノブはヤンキーのおにーさんみたいな風情。味わい深い。

一曲目は、「蟲」。疾走系メタルチューンである。

始まるやいなや隣に立っていた若い女性が、上半身をグラインドさせてヘッドバンキングを始めた。
びっくりした。
普通に首から上を前後に振るのではなく、中腰になって、腰を中心に上体を前後左右上下に振るもんだから、端から見てると、何か怪しいモノに取り憑かれたのではないか、という感じ。ちょっとこわい。
彼女はその後、数曲はその調子で上体振り回しをしていたが、さすがに後半はおとなしくなっていた。疲れたのだろう。 Headban_2


わたしの後ろには、どういうわけか上品な老婦人が立って、怒ったような顔でステージを凝視していた。メンバーの親類かなんかかな?

ベースの鈴木の歌は、独特の節回しとお下品な声で、唯一無二の貫禄。うまいとは思わないけど、好きだなぁ、こういうの。
さすが「虫を歌わしたら日本一」と言われるだけのことはある。
2曲目は「品川心中」。
和風メタル曲だが、これはギターの和嶋が歌う。この人の歌は線が細く、あまり聞き取れない。
演奏が爆音なので、非常に苦しそうに歌う。
途中のブレイクで和嶋の落語が入る。おりしも、ブランニューならではの電車のSE?が。
絶妙のタイミングだった(^^;

その後、意外とフレンドリーで軽妙なMCをはさみ、ステージは進行する。
今回、ブランニューってこともあって、いつもここで聴いているアマチュアバンドとホンモノのプロのバンドと、外音がどのくらい違うのか検証するというのも、今日の観戦の目的であったが、結論をいうと、あまり変わらなかった。
やっぱり低音がもこもこして全体に分離の悪い音像だった。
まぁ、3ピースで分離があまりよかったらスカスカになるから、これでいいのかもしれない。
やっぱりブランニューはメタル箱だ、との認識を深めた。

同じSG弾きとして、和嶋のギターには興味津々だったが、前回と同じで、非常にシンプルな音作りだった。
エフェクトらしいエフェクトはなし。ステージ前は人垣だったので、機材の確認はできなかったが、おそらくエフェクターはほとんど使ってなかったんじゃないかと思われる。
ひょっとしたらアンプもブランニューのを使っているのかもしれない。
いかにもSG+マーシャルという感じの、よく言えばソリッド、悪く言えば奥行きの乏しい音で、あぁ、SGだなぁ、と感慨もひとしお。
ギターソロになると、ブランニュー独特の張り出し舞台に出てきて弾きまくるのであるが、その際、ほとんど指板を見ずに弾いている。
かと言って客を見ているわけでもなく、フロアの上方の虚空を凝視しているような感じ。ちょっと変だ。彼には何が見えているのだろう?

「人面瘡」「陰獣」と最初期の名曲2連発で一旦、ステージは終了。
鈴木の「いぃんじゅ~~うぅ~~」といううなりが素晴らしい。
その後、アンコールで「大阪に因んだ曲をやります」と言って「幸福のねじ」。
これも鈴木の不吉な笑い声が楽しい名曲。

1時間ちょっとであったが、なかなか聴き応えのあるライブであった。
さすがに立ちっぱなしで疲れたので、さっさと撤収。
帰りに梅田のタワレコに寄って、またCD買ってしまった。
ポイントカードのサービスシステムが新しくなって、今までより割り引き率が下がったような気がするのだが、気のせいだろうか。

20年弱の永きにわたって、自分のスタイルを貫き通して、いまだ現役という彼らの姿勢には感服している。
コアなファンは、ちょっと新しいことをしようとすると「ポップになった」と叩き、メンバーが替わると、前のドラムがよかった、となじり、なかなかたいへんだが、今や、新しいリスナーが大幅に増えることもないだろうから、そういうコアなファンの期待に応えていくことは、営業上やむをえない判断なのかもしれない。
とはいえ、そういうコアなファンがいたからこそ、今まで続けてこられたのだろう。
ある意味で幸せなバンドではないか。日本にも、こういうバンドがもっとたくさんいてもいいと思う。
でも、案外お客さんに若い女性が多かったのはどういうことだ?不思議。

で、セットリストは以下の通り(だったと思う)。


品川心中
青年は荒野を目指す
洗礼
黒猫
死ね死ね団のテーマ
ロックンロール特急
人面瘡
陰獣
 
(アンコール)
幸福のねじ
地獄風景

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